秘すれば花

秘すれば花なり、秘せずは花なるべからず

 

世阿弥の風姿花伝にある一節。

能の永遠のテーマである『花』を、芸を継ぐもの、守るものを知る者のみに向けて語られた、

心に沁みる言葉だと思います。

 

芸を磨くことは、人を磨くこと。

 

その一生の課題を与えられることこそが、

芸術を生きる道とする者にとっては、大変に幸せなことなのだ・・・

と思います。

 

私は、

音楽家が自分の中にある花にさらに気付いていけるように、

必ずその一助と成り得るであろう、”ある道”が繋がることを望んでいます。

 

秘することは、学びを秘密にすることではないでしょうし、

手をたずさえて学び合うことで、

一人一人の中にある「花」が大輪となっていくのではないでしょうか?

 

 

 

秘すれば花・・・

 

極意はひけらかさない。

 

そこまでにいく前にはきっと果てしない道が繋がっているのでしょうけれど、

 

花は、光と水を、そして微笑みを、与えられることでより美しく咲きます。

”息”や”からだ”のことを紐解いていくことも、その光や水になるでしょう。

 

 

そして自らの営みの中で、生涯咲き続ける花になれるように、

わたしも努力していきたいです。

 

そして真摯に芸術に向う音楽家の方々にとって、

花を育てるための光と水と微笑みの一部になるであろうこの道を、

今、お力添えをいただいている

身体分野の多くの素晴らしい先生方と共に育てていけたらと思います。

 

 

 

心から感謝しています。

 

小島裕子