萩や金木犀が香り、揺れる頃となりました。
先日の日曜日のマチネに≪マダム ブルーローズ≫のファーストコンサートが行なわれました。
ジャズボーカル・ジャズピアノ・シャンソン・ソプラノ&ピアノ
それぞれの分野で活動しているこの4人の女性によって結成されたユニットです。
≪マダム ブルーローズ≫という名前に込められた想いとは、
どんなものだったかを少しお話したいと思います。
ジャズの世界をいつも落ち着いた深い声で聴かせて下さる丸岡紀里江さんは、
音楽に対してとても真摯な方です。
声の作り方についても様々に工夫を重ね、自らのスタイルを築いて来られた丸岡さん。
ご自分のお店(インタリュード岡山 http://www.interlude.okayama.jp/about.html)で
マダムとしてお客様のおもてなしをしながら、毎晩ジャズをお客様のために歌っていらして、
たくさんのファンがいらっしゃるにも関わらず、
「これから、勉強していきたいこと」について熱く語って下さった時は感動しました。
女性としても憧れる本当に素敵な方です。
松本加代子さんは、そのインタリュードで毎晩、素敵なピアノを弾いていらっしゃるジャズピアニスト、
リズムを心地よく含んだ華麗なピアノで聴く人を魅了します。
私も一夜でファンになりました^^
様々な国内外のミュージシャンとの共演も多い素晴らしい方です。
シャンソンの大滝善子さんは、華やかな雰囲気をお持ちで、
フランス語の響きをきれいに聴かせる魅力的な歌を聴かせて下さいます。
語りや、ピアノとの絡みで音楽を創って行くことに、細やかなこだわりを大事になさりながら
丁寧にご自分の歌を作っていかれます。
音楽はいつも生きているもの・・・
悲しい時も、嬉しい時も、
背筋を伸ばせる時も、背筋を伸ばせない時も、
明るく呼びかけて欲しい時も、そっと一人にしておいて欲しい時も、
だってそれが人間だから・・・
語りかたの異なるそれぞれの分野が、
枠を超えて、
”聴いている人に何か伝えるために”、
ただそれだけのために、演奏したい!!!
それが私の気持ちでした。
その時に、閃いたのが”マダム ブルーローズ”という響きでした。
まだ、見ぬものへの憧れと、存在しないからこそ美しい
何か、そんなものを求めたいというような…
これが、この名前に込めた想い…だったと思います。
実際に青いバラは長い間、存在することが不可能な神秘的な花とされてきたそうです。
コンサートが終了したら、その見えない”ブルーローズ”が、少し感じられるかも知れないな~と
楽しみにしてきました。
プログラムは、
すべて松本加代子さんのピアノにのせて
まず大滝善子さんによるシャンソンのステージから始まり
”愛の讃歌”
”Flambee montalbanaise”
”ハバネラ”
小島裕子のクラシックで
”カッチーニのアヴェマリア”
”白月”
ラフマニノフ ”ヴォカリーズ”
丸岡紀里江さん ジャズ
”恋をした時”
”ある恋の物語”
”スマイル”
”スウィングしなけりゃ意味ないね
そして、第2部は『武満 徹の世界』
”死んだ男の残したものは”
”雪”
”島へ”
”ワルツ”
”燃える秋”
”翼”
”小さな空”
をたっぷりとお聴きいただきました。
特に武満作品のステージでは、今回のメンバーならではの、
他ではちょっと聴くことのできない・・・
”様々な声のアプローチによる武満 徹の世界”がお届けできたのではないかと思っています。
ジャズやシャンソンのフィーリングで歌とピアノでお洒落にアレンジされた演奏は本当に素敵で
ため息がでました。
この武満作品の演奏は、これからも是非多くの方に聴いて頂きたいと思っておりますので、
その時は是非聴きにいらして下さいませ!!
さて、今回のコンサートは、音楽以外に、五感を刺激する”お花”と”美味しいフランス菓子とお茶”も
ご用意致しました。
お花を創作してくださったフラワーアレンジの嶋田真知子さん
あでやかな素敵なお花・・・教会の白い壁にとても映えるものでした!
お菓子とお茶は、フランス菓子ス―リィ・ラ・セーヌのマダム安原充代さんが自ら出向いて下さり
皆様にふるまってくださいました!
なんともぜいたくな・・・
この場を借りて感謝申し上げます。ありがとうございました。
マダム ブルーローズをこれからもよろしくお願い致します。
さて、マダム ブルーローズ はじめてのコンサートが終わり、
私の中で、まだ見ぬ青いバラは、ますます魅力的な光を放つ存在になってきました。
これからも求めていきたいと思います・・・
そして生きていることが、音楽とつながり、聴いて下さる方に伝わっていきますように願いをこめて、
そのために、私自身、精進していきたいな~と思っております。
皆さま、これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。
小島裕子