2016年1月30日と1月31日、私は人生初めての室内楽の演奏会を経験しました。
プログラムは、
『ブラームス:ピアノ三重奏曲 第ニ番 ハ長調 作品87』
『グリンカ:三重奏曲 ”悲愴” ニ短調』
『ブラームス:クラリネット三重奏曲 イ短調 作品114 』
もちろんわたくしはピアノです。
共演者のチェロ、クラリネット、ヴァイオリン、ファゴットの四人の皆様は、
室内楽の経験も豊かな、本当に優れた演奏家の方々でした。
そもそも初めてでこれほどの大きなプログラムに挑戦するなんて、
長年ご指導を仰いでいる師からは、厳しいお言葉の数々をいただきながらも、
「越えられない壁は、神からは与えられない。」
と信じて進むことが自分の生き方だと思っている私は、
とにかく、自分にやれるだけやって臨むこと…それだけを考えて、
本番までの日々、その準備に、許される時間の全てをかけました。
合わせ、リハーサル、と積み重ね、本番は3公演と、
共演者の皆様から様々なことを教えていただきながら、終えることが出来ました。
一緒に音楽を考え創っていく過程は、何にも替えがたい幸せな体験であり、
アンサンブルピアニストとして至福の体験をさせていただきました。
それぞれの作品から拝受したまさに胸に迫る感動はとてもここでは言い尽くせないほどもの・・・。
室内楽の、心に寄り添う、たおやかで豊かな世界に、すっかり魅了されてしましました。
共演者の皆様の,音楽と仲間を愛するお心にいたく感動し、
さらに、ともに音楽を共有して下さったお客様に心から感謝しています。
さて、この経験を通して私は、
「音楽家が、演奏のために、身体のところから考えて、積み重ねを行なうこと」
の重要性をあらためて実感いたしました。
特に感じたのは、
「体幹のコントロール」
「呼吸のコントロール」
そして、そこから派生して
「身体のバネ」
そしてなんといってもそれらの
「持続」
です。
ハードな練習、長時間に及ぶリハーサル、本番、と要求される「体力・集中力」は、やはりかなりのものになり
ます。
経験豊富であってもそうでしょうし、初めての体験はそれにプラスして様々なハードルもあります。
技術・音楽性はもちろん、精神力・集中力・体力など様々なことが条件となる演奏は、
上にあげた4つの事柄がその大きな要素となりますし、
そこを育てていく取り組みは、音楽家にとって明らかに必要なものであることを、
身を持って実感いたしました。
「体力、集中力ともに恐るべし・・・」とコメントをいただき、
冗談まじりにしても、日々の積み重ねの大切さをあらためて感じ、
これからはまたこの経験を通して、
「音楽家の身体への取り組みの重要性について」
皆様に確信をもってお伝えしていけるものと喜んでいます。
お読み下さり有り難うございました。
Salon.K
小島裕子
(Salon.K MUSIC BODY METHOD)代表
2016-2-5 紀尾井ホール 演奏会終了後
共演者のソプラノ歌手と作詩家の先生とともに (右端/小島裕子)