<音楽を教える人の為のペップトークセミナー>
10月13日(日)東京都豊島区池袋にある、フォルテ・オクターブハウスで開催いたしました。
”言葉のセンス”を磨くことは、
人としてとても大切なことだと思いますし、素敵なことです。
音楽の分野においても、
人に音楽を指導する時、
自分を勇気付けたい時、
その時に効力を発するのが、『言葉の力』です。
指導者が、”言葉がけ”について学び、
最適な言葉を生徒にかけてあげられるスキルを磨くことは、
とても必要なことだと考えています。
そのような思いから、この企画をスタートさせました。
第1回目は、2018年10月岡山で開催しました。
(『言葉と音楽の力〜心に響く音のチカラ 』2018-10-21 オルガホール)
続く池袋のこちらの会場では、2019年4月に初回を開催し、
今回で3回目の開催ということになります。
リピーターの方がお知り合いを誘ってご来場下さり、
大変和やかな雰囲気で始まりました。
まずは、《日本ペップトーク普及協会代表理事 岩崎由純先生のご講演(80分)》
が熱く繰り広げられ、
初めての方もたちまちその「涙あり、笑いあり」の素晴らしいお話に夢中になって、
身を乗り出して聴いていらっしゃいました。
講演の初めに必ず話して下さる、”岩崎先生のペップトークとの出会いのシーン”、
試合前の選手に本気でかけるコーチの言葉(ペップトーク)を初めて実際に目の当たりにして、
涙が出て止まらなかった・・・!
というこの岩崎先生のお話しには、毎回感動してしまいます。
さらにそこで語られる次の言葉が、
ハッとさせられるような響きを持って胸に突き刺さってきます。
「選手は血のにじむような練習を重ねてここに来るんだ!
指導者は、”言葉の力”を磨いてここに来るんだよ!!!」
というコーチの言葉です。
もちろんスポーツの試合と音楽の演奏では違うところも沢山あります。
けれども、日頃レッスンで、沢山の人に、
一体私達はどれだけたくさんの言葉を、かけていることでしょうか?
そしてその言葉は、
きちんとした「動機」や「意思」に裏づけられた、
一番相手に送りたい「気持ち」に相応しい”言葉がけ”になっているでしょうか?
あるいは生徒にこうなって欲しいと思う気持ちを表すのに”最適な言葉”が使えているでしょうか?
その後、岩崎先生のお話は、
「では、どうやったら、相応しい言葉がけができるようになるのか?」を、
ある時は学術的に、
ある時は大変に分かりやすい実際の例を挙げて、
進められます。
80分という時間は、あっという間です。
その後は、《トークセッション》
まずは主催者の小島裕子から、
「音楽とペップトーク」というテーマで少しお話をさせて頂きました。
冒頭に、あのパブロ・カザルス(チェリスト)の残した、ある感動的な文を朗読致しました。
ー子供たち一人ひとりに言わねばならない
君はなんであるか知っているか
君は驚異なのだ
二人といない存在なのだ
世界中どこをさがしたって君にそっくりな子はいない
過ぎ去った何百万年の昔から
君と同じ子供はいたことがないのだ
・・・
パブロ・カザルス(1876~1973)
(これはほんの一部です。)
以下 続くー
言葉がけについて考える時、
私たちがまず壁に突き当たることは、
『何を教えようとしているのか?』ということだと思います。
偉大な芸術そのものを伝授していくということは勿論なのですが、
音楽を通じて何を教えたいのか?
何が大切なのか?
つまり、
言葉を使って教える(”無言”もまた言葉だと思います)ことをもう一度考えてみる時に、
大切なのは、教師が自分自身を磨いていかなくては、ということ。
音楽を教えることは、「生きる」ということを教えること
音楽を学ぶことでその人にもたらされる
「軸」「勇気」「決意」「意志」「美しいこと」「見極める力」「自分で考える力」
・・・など、
沢山の『人生においての宝物』を伝えるために・・・
私達は音楽を教えていきたいです。
その後、岩崎先生に色々質問をさせて頂きました。
会場からも積極的な質問があり、
時間に限りがあることが誠に惜しまれるような
活気に満ちた空気に包まれていました。
岩崎先生は、
お尋ねした事項、その一つ一つに深いご研究に基づいた素晴らしいご回答を下さり、
見事に解き明かされていかれ、勇気と元気が漲って来るようでした。
またの再会を約束して、2時間半のセミナーは終了致しました。
終わってからも様々なご感想が寄せられています。
「笑いあり、感動ありの、素晴らしい講演でした。
知っているのと知らないのでは、
今後の人生が違ってくる?!そのくらい意義深い時間でした。」
ーピアノ教師・ピアニストの方よりー
また、沢山の音楽家が出入りする池袋スタジオフォルテのオーナーの方からは、
「このような企画は、本当に必要なことだと感じています。
社会に出た時に音楽だけを学んでいただけでは足りないことは沢山あると思うからです。」
という有難い言葉も頂きました。
肯定的に物事を考えていくことは、
演奏者として大切な自らの心の持ちようにも深く関わってくることだと思います。
より豊かな音楽教育が広がるように!
音楽が人生をより豊かにするように!
また次回をお楽しみに!
講師の岩崎先生、お越し下さった皆様、事務局スタッフ、
本当にありがとうございました。
小島裕子