響き

 

演奏することは、やはり最大の喜びだと思う。

 

そして私にとって

 

『響き』

 

は、いつも愛すべき大切なテーマ。

 

自分という人間の全てで創る「響き」

 

「響き」で人を感動させることができたら・・・

簡単にはできないことだけれど、それは音を奏でる者にとって最高に幸せなことだと思う。

 

音楽を聴いた人に残るのは、その「響き」

その「響き」が、

聞いた人の心で鳴り始めるときに、

初めて音楽はその人の心で生きていくものとなる・・・

そんな風に思う。

 

 

だからこそ、

作品の持つ深い世界と自分の響きをどう融合させていくのかという格闘を、

日々積み重ねなければならない。

 

そんな音を奏でたい。

音楽とともに呼吸したいから。

 

「響き」は、

楽譜から読み取る音楽が、

自分という媒体を通して始めて生まれるもの。

だから、日常の全てが、自分の「響き」となる・・・

日々の暮らし、思考、からだの使い方、愛の深さ、思いやり、丁寧さ・・etc

 

 

日々、自然を愛で、

その中のほんの一つである自分の存在に

感謝し、謙虚に向き合うことだと思う。

 

 

これまでも、美しい響きを求めてここまで歩んできたけれど、

やっと出発点に辿り着いたくらいかもしれないと感じている。

ひたすら求めていくことだと思う。

 

 

その音楽とともに自分が呼吸できるように、

その音楽と自分が一体となって呼吸しているような

そんな演奏を求めてこれからも進んで生きたい。

 

 

 

来週、3月24日(日)は、東京は三軒茶屋でのデュオリサイタル。

その豊かなご経験と、

そして音楽に対して常に真摯に向かわれる

川上徹さんのチェロ。

その音に寄り添い共に奏でられることの幸せは、言葉に尽くせないほど。

 

機知に富んだシューマンのどこか哀愁漂う作品「5つの民謡風小品」、

深い愛に包まれた心の歌、ブラームスのチェロソナタ、

そしてブラームスの歌曲をチェロとピアノと朗読で、

美しすぎるラフマニノフのチェロソナタの第3楽章、

コダーイの無伴奏ソナタは、川上さんの息を呑むほどの圧巻の演奏をお楽しみ下さい。

 

私たちの演奏、お聴きいただければ幸いです。

皆様、是非お越し下さいませ。

 

小島裕子2019東京